2009-03-05

「日本のハゼ」校訂表を作ってみた


とってもすごい図鑑が1冊ある:

ja: [S3Y] 瀬能 宏 監修, 鈴木 寿之, 渋川 浩一, 矢野 維幾 著「決定版 日本のハゼ」平凡社, 2004.
en: [S3Y] H. Senou, T. Suzuki, K. Shibukawa and K. Yano, A Photographic Guide to the Gobioid Fishes of Japan, Heibonsha, Tokyo, Japan (2004). (in Japanese)

(英語で書かれた学術論文にもしばしば引用される図鑑なので、書誌情報は日英併記にした。以下同様。)

写真は絶対あり得ないほど美麗だし, 解説は依拠した論文等が明記されているし, 本当に決定版だと思う。

ただし、印刷物なので、未記載種が記載されたりとか標準和名が付いたりという新しい変化には、読者ひとり一人が対応しないといけない。(もちろん「何も対応しない」というのも読者の自由だ。つまり、「あの魚なんていうの?」「あれはコバンハゼ属の1種-2です」でお互いに分かり合えるのならそれはそれで充分だ。)

自分で使うために、出版以来の変化を、おもに日本魚類学会で公開されている情報に基づいて、

新旧校訂表 [S3Y revision since 2004] updated: 03 Apr 2012
PDF format
DOC format

にまとめてみた。どちらも、内容は同じ。

持って行きたいかたはご自由にどうぞ。再配布や改変も無断でご自由に。このサイトを明記する必要もありません。

ja: 免責事項: この PDF ファイルは、何かの役に立つことを期待して、あるがまま公開されていますが、誤りがあるかもしれません。内容を信じたことなどによる損害などには責任は負いません。
en: Disclaimer: The revision is made by myself, a goby-lover, without any authority. The document is distributed AS IS in the hope that it will be useful, but WITHOUT ANY WARRANTY.

ご利用は自己責任で。

もし、内容に誤りがあったら教えていただけると嬉しいけど、魚類学者じゃないのでどの学名が valid だとかそういう面倒くさい論争はしないよ。

将来、校訂表が更新される際には、このエントリで、日付は動かさずに公開します。この blog 右段からも到達できます。更新のお知らせはこのエントリのコメントでします(つまり、フィードに subscribe すれば自動的にお知らせを受け取れます)。

追記:この blog 内に「学名とは」というタイトルで既に公開した記事もありますので、もしよろしければお読みください。

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Comments 17

さんのコメント...

根本氏は、p.71 の sp.1 ではなく、p.73 の sp.3 に写真を提供している。(ご本人から伺いました。)

さんのコメント...

先のコメントに追加:

さらに、根本氏に詳しく伺ったところ、p.71 sp.1 と p.73 sp.3 は撮影者だけでなく撮影地もまるごと入れ替わっているそうなのでそのように「校訂表」を更新しました。

さんのコメント...

Trimma imaii ダイトクベニハゼ と Trimma caudipunctatum ムラサキズキンハゼ が新種として記載されましたので、校訂表に追加しました。

さんのコメント...

Gnatholepis yoshinoi ヒシヒレオオモンハゼ が新種として記載されましたので、校訂表に追加しました。(ただし、「日本のハゼ」に写真がないので、p.58 に追加しただけです。)

さんのコメント...

校訂表に追加しました:
Sicyopus cebuensis ヒノコロモボウズハゼ
Fusigobius pallidus カペラサンカクハゼ
Eviota partimaculata オモナガフタホシハゼ
Drombus simulus イッテンクロコハゼ
Navigobius dewa 和名なし

さんのコメント...

Luciogobius 属のナガレミミズハゼ(新称)が安倍川水系・静岡より報告されました。「日本のハゼ」には写真がないので、p.58 への校訂の形で追加しました。

さんのコメント...

校訂表に追加しました:
Parioglossus caeruleolineatus クジャクハゼ
Ancistrogobius dipus フタヒレホオカギハゼ
Ancistrogobius squamiceps ウロコホオカギハゼ
Ancistrogobius yanoi アサバノホオカギハゼ
Ancistrogobius yoshigoui イトカケホオカギハゼ
Hetereleotris exilis ササガキハゼ
Gobiopsis namnas バケイサゴハゼ
Phoxacromion kaneharai マツリビハゼ
Rhinogobius sp. BF シマヒレヨシノボリ

さんのコメント...

校訂表に追加しました(v.12):
Eviota toshiyuki ミドリハゼ (日本産を新種記載して学名変更)
Eviota shimadai ハナグロイソハゼ
Parioglossus senoui ムスメハゼ

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標準和名が提唱されたので、校訂表に追加:
Navigobius dewa 和名なし → モモイロカグヤハゼ

さんのコメント...

Eviota nigrispina ナデシコイソハゼ が新種として記載されましたので、校訂表に追加しました (p. 142 イソハゼ属の1種-2)。v.14

さんのコメント...

コクテンベンケイハゼが記載されましたので、校訂表に追加しました (p.89 Priolepis sp. A→Priolepis akihitoi)。v.15

さんのコメント...

校訂表で以下の種に関する記述を更新しました:
Eviota ancora ボンボリイソハゼ
Eviota rubriguttata ハナビイソハゼ
Valenciennea limicola サオトメハゼ
Luciogobius fonticola ユウスイミミズハゼ
Luciogobius fluvialis ナガレミミズハゼ
Rhinogobius katonis シマヨシノボリ
Amblygobius esakiae エサキサラサハゼ
Favonigobius melanobranchus クロヒメハゼ
Favonigobius opalescens ツマジロヒメハゼ

さんのコメント...

ホシゾラハゼとフタホシタカノハハゼが記載され学名が付きました。

さんのコメント...

ベニハゼ属の1種-2が記載され、Trimma maiandrosとなりました(和名なし)。

さんのコメント...

カサイダルマハゼが記載され Paragobiodon kasaii Suzuki et Randall, 2011 となりましたので、校訂表に追加しました。 v.19

さんのコメント...

オガサワラヨシノボリがRhinogobius ogasawaraensisと記載されましたので、校訂表に追加しました。v.20

さんのコメント...

シロオビイソハゼの学名をE. atriventrisに変更。E. sp. 4 がE. pellucidaと同定され新和名コジカイソハゼが提唱。 v.21