2008-08-15

e-ticket


IATA に加盟している航空会社の航空券は、現在、全て e-ticket になってしまった。つまり、昔ながらの、赤いカーボン複写の国際線航空券やら、搭乗券風の ATB と言われるやつは、ほぼ絶滅した。日本は、国内線もほぼ e-ticket になっている。

e-ticket になったとはいえ、空港のチェックインカウンタとか入国審査で、航空券を「所持」していることの証明が必要な場合がある。そのため、航空会社のコンピュータ上に電子的に存在している本物の航空券へのポインタとして「e チケットお客さま控」というのが発行される。ポインタだから削除しても(つまり、紛失しても)、本物は消えない。仮にポインタが複数あっても(つまり、盗難などにあって再発行しても)、本物は1つだから問題は起こらない。

航空会社によって、「e チケットお客さま控」のフォーマットは異なる。国際的に統一されているわけではない。まあ、たいていは昔ながらの航空券面を読みやすく冗長にした作りになっており、実は、その中の e-ticket number のみがポインタとして働く。極端な話、他の情報は不要。

上の画像は、Garuda Indonesia 航空の「e チケットお客さま控」。今日、Garuda の東京事務所から、メールの添付ファイルとして、PDF 形式で送られて来たやつを、この blog に載せるために一部分カット。

すごい。

私の見立てが間違えてなければ、絶滅寸前の「ドットインパクト・ラインプリンタ」と「連続用紙」を用いたプリントアウトをスキャンして PDF にしたものだ。まさか、ドットインパクトプリンタ風フォント(?)を用いて、シートフィーダの用紙送りムラにともなう縦方向の印刷の飛び/重なりや、ヘッドの往復にともなう周期2(行)の横方向の印字ずれまで再現するような、そんな無駄にすごいツールがあるわけがない。

他の航空会社のはどうなんだろう。ここまでアナクロなのは、たぶん少数派。

Garuda の東京事務所は、日本にあるけどインドネシアだ。インドネシアは時間が止まっている。古いものを捨てない。なんでもそのまま使い続けて、新しいものは追加でほんの少しだけ導入する。つまり、発券業務のカウンタには e-ticket 化にともない、スキャナだけ導入。発券システムのプログラムは出力の文字列をちょびっと変更しただけ。それ以上の変更はせず、カウンタのお姉さまがスキャナを動かすという作業がちょびっと追加。(なにせ、すくなくとも2007年の正月までは、 Garuda の東京事務所で赤いカーボン複写の航空券を発券していたのだ。)

Orang Indonesia bisa membuat, misalnya, rumah tapi tidak bisa mempertahankan itu. (インドネシア人は、例えば家とか、作れるけどメンテナンスはできない)インドネシア人の知人がそう言っていた。

けだし至言なり。
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