2009-07-03

廃刀令2009 (完結編)

前回のエントリに書いた「両刃、刃渡り5.5cm以上のダイバーナイフ」の件。1月5日から、すでに所持は禁止になっており、家から持ち出さず、仕舞って置くだけでも銃刀法違反だ。ただし、すでに所持している人は廃棄することを条件に、過渡的処置として7月4日までは見逃してあげるよ、というわけだ。

というわけで、さっき、警察に行って、廃棄を依頼して来た。

シャバの空気はうまいぜ

--- 以下、廃棄の顛末記 ---

地元の駅前派出所では受け付けてもらえず「それは本署へ行ってください」とのこと。とはいえ、都心へ遊びに行く途中だったので、地元の本署へ寄るのは、かなりの回り道。そのまま電車に乗り、ちょっと歩いて、警視庁 Y 署へ。

Y署の玄関で警備(?)している方に用件を伝えると、「生活経済課」へ案内された。

A4サイズの様式に、住所、氏名、職業、生年月日、経緯、その他、けっこういっぱい書かされた。印鑑を持っていなかったので、左手人差し指の黒い指紋で代用(普通は拇印 (右手親指朱肉) で済ますところを、警察ではそうするらしい)。「届け出年月日は重要ですからね、間違えないでくださいよ」とも宣う。うん。平成21年7月4日以前の日付じゃないと、警察への『廃棄依頼』のつもりが、『銃刀法違反の自首』になっちゃうもんね。

担当の方は、私が様式に書き込んでいる間に、見えないところへ一旦引っ込んで、同僚と何事か話をしている気配だ。私の前へ戻ってくると問題のダイバーナイフを見ながら、なんだか、とてもいろいろ質問してくる: 「自宅から遠いですけど、今日は何かのご用事でこちらへいらっしゃったんですか?」から始まり、「これは何年くらい使っておられましたか?」「どこで買ったんですか?」「普通に売ってるものだったんですか?」「どこで銃刀法改正の情報を知ったのですか?」「ダイビングではこういうのをよく使うんですか?」などなど。「つかいこんでいるようで、思い出のある品なんじゃないですか?」とも。

ようやく、最後になって、「実は、いろんな刃物や銃を『処分してくれ』と持ち込む方がおられるのですが、典型的な両刃のナイフを持ち込まれたのはまさに初めてなんです」と仰った。

なるほど。平日の昼間に、Y署に初めて持ち込まれた「両刃のナイフ」。その刃渡り8.8cm、しかも、とても使い込まれている。

所持人はめちゃめちゃ "あぶない人" かつ "通り魔予備軍" に見えたのは間違いない。でも、体育会系だから、見た目からは中の人がヲタであることはバレないはず。(笑)

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「ほんとによかったですねー、禁止だって気がついて。それと、ここに来るまでに捕まらなかったのもラッキーでした」って言われたけど、えーとね。家にほったらかしにしてたら捕まらなくて、警察に廃棄を依頼に行く途中で捕まるって。そんなことがあったら、世の中へんだよぉ。グレてやるぅ。(泣)

とはいえ、少なくとも、飛行機でどこかへダイビングに行くときに、空港のチェックイン荷物の検査では "必ず" 引っかかったはず。そうなったら警察沙汰だから、旅行はおじゃん。だから、未然に防げてよかったのだ、と思う、ことにした。
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