2008-06-01

うさぎの斜頸

一昨日の「頭」という記事(2008/05/30 のエントリ)に追加。

昔、飼っていたうさぎ(ネザーランドドワーフ。要するに「ピーターラビット」みたいなうさぎ)が斜頸になってしまったことがあった。一昨日、いろいろ書きながら、このことをまったく思い出さなかったのは、きっと記憶が封印されていたのだろう。うさぎの発病をきっかけに、いろんなことが起こって、泥沼だったから。

さて、気をとりなおして、続きを書こう。

うさぎの斜頸というのは、ある日突然、うさぎの頸がぐにゃっと真横に曲がってしまい、そのままでは餌を食べたりすることができなくなるという病気である。重症になると、眼球震盪(眼球がピクピク動く)やローリング(4つ足で立っていられず、頸の曲がった方向へ倒れ、立ち上がっては倒れ、を繰り返す)も併発する。こうなった場合、手厚く看病してあげないと、当然、自力では餌が食べられず、ごろごろ転がって体力を消耗するので、死んでしまう。倒れたときに目をぶつければ失明することもありうるし、体を舐めて自分できれいにすることもできない。これといった特効薬はなく、対症療法による闘病が長期にわたることが多い。完全に治癒することはあまりなく、いったん良好になっても再発する。生活には困らない程度に頸が曲がったままになるという後遺症が残ることも多い。

この病気の原因と言われているのが、微胞子虫類の仲間 Encephalitis zoon。この類の原生動物(単細胞)は、いろいろな動物に寄生する。健康なうさぎの場合でも Encephalitis zoon はたいてい寄生している。ふつうは悪さをしないのだ。しかし、なにかのきっかけで、突然、 Encephalitis zoon が斜頸などを発病させることがある(Encephalitis zoon による病気を、まとめて、「EZ 症」とも言う)。詳しく言うと、うさぎのストレスが多くなったときとか、免疫力が低下したときに、この原生動物が暴れだして(あるいは、原生動物の存在に気がついた免疫システムが暴走して)発病に至るのだと言われている。うちのうさぎの場合は、うさぎと同じ部屋で私が徹夜で作業した(明かりは消していたが、コンピュータを使う作業をしていた)直後、3日ほど留守にして帰ってきたら発病していた。まちがいなく原因はストレス。とりかえしがつかない。かわいそうなことをしてしまった。。。ほんとうにごめんね、ちも。

ふたたび、気をとりなおして、続きを書こう。

ここで zoon はギリシャ語で、英語の animal の意味。そういえば zoo は動物園だよね(zoological が動物学でその略が zoo)。

で、残りの部分 Encephalitis。でました、encephal。一昨日、書いたように、「頭の中身」で「脳」だよ。

うさぎの斜頸は、脳の平衡感覚をつかさどる部分が壊れることによって起こるらしい。だから、「脳」と付いているわけ。

というわけで、ほんとうにごめんね、ちも。。。
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