2008-09-13

Olfactogram


前の記事「パラレルワールド」を書いた後で、以前買ったままの本があったのを思い出した。4時間ほどかかって一気に読了。

井上夢人「オルファクトグラム」(上下2巻), 講談社文庫, 2005.
ISBN978-4-06-274985-5 (上)
ISBN978-4-06-275007-3 (下)

感想を一言で述べると
「やられた」
である。まさに、前の記事で私が言わんとしたことをネタにした小説だ。将来、私が何か小説を書くとしたら(書けるかどうかは知らないよ)、こういうネタがあり得るとは思っていた。まあ、井上夢人に使われてしまったのだから、しょうがないといえばしょうがない。

ネタばらしになるといけないので、詳しくは書かない。とっても面白いのでお勧めだ。

この小説の題名「オルファクトグラム」は嗅図とでも訳せばいいだろうか。本文中に描写はさんざん出てくるのだが、この単語自体は一回も使われない。こういう修辞上の粋な仕掛けも、私が井上夢人作品が大好きな理由だ。

なんでその仕掛けが粋か、って?

分かる人には分かる。分からない人には分からない。としか答えようがないな。
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