2009-01-15

Astern

以前、大型特殊自動車の免許を取った。その時の教習車はフォークリフトで後輪操向だった。

と、人に話したら、「バックの時はハンドルどっちに切るんですか?」と訊かれた。確かに、乗ったことなければ混乱しがちかも。

結論は、前輪操向と一緒、つまり普通車と一緒だ。

その理由も簡単: --- 説明のため、すでにどちらかにハンドルが切れてるとする。ハンドルはそのままで、前進してみたら右に曲がった (ここで「左に曲がった」でも以下の説明は不変)。ではハンドルはそのままで、バックするとどうなるだろう?車輪が路面に描く弧は、前進時でもバックの時でも同じ円上にあり、辿る向きが違うだけ。 ---

車輪が辿る円を調節するのがハンドルだ。右、左に曲がるためだけの輪っかと思ったら失礼だ。(笑)

「バックの時は後ろをしっかり見て、左に行きたい時は右にハンドルを回す」と、言葉で 右/左 を覚えていてはいけない、というか、それで運転できてる人が私には怖い。自分が前を向いた時の向かって右は、自分が後ろを向いた時の向かって左なのだよ。

---

実は、私は「けん引」の免許も持っている。でも、ぜんぜん使ってない。

セミトレーラでよく言われるのが、「バックの時は普通と逆にハンドルを切る」ということだろう。フルトレーラなら「逆の逆で普通と同じ」と言う人も居た。

そんなのだめ。説明になってない。

頭 (トレーラ) と荷物 (トラクタ) を繋げた時、トレーラ全体がトラクタの操向輪だ。トレーラの向きを変えれば、トラクタの後輪の辿る円が変わる。ただし、トレーラとトラクタは一点で繋がってるだけだから、普通の車の操向輪とボディの関係とは違う。たとえば「据え切り」に相当することはできないし、「操向輪を直角にする」 (ジャックナイフ) ができてしまう。どっちもやっちゃだめだが。

トラクタの後輪は動きにくいので、バックの時はよく見ながら押さないと「勝手に操向輪の方向が変わる」ことになりかねない。運転手がサーボ役をする必要がある。

と、これだけわかってれば、逆に切るとかいう変な説明は要らない。操向輪としてのトレーラをどういう向きに向ければよいか、そのためにはハンドルをどう切ればいいか。見て、考えて。それだけのことだ。

右とか左とか逆とか、言葉で覚えない。平面図形の問題だと思うな。

---

もうすぐ父島に到着。この blog、しばらくは携帯からの投稿になります。

この下を閉じる このページを印刷

Comments 0