2009-05-28

reCAPTCHA

ブログを書くことと、連絡先を明記することの関連について、ちょっと考えてた:

この blog の私の「詳細プロフィール」(右段下の方から行ける)には、筆者への連絡先として、本物のメールアドレスがさっきまで晒されていた。一応、内容には責任を持ちたいし、間違いがあったときにご指摘くださる方が居られるといいな、と思ったから。匿名でコメントできる、そう設定してるのも、同じ考えでだ。

でも、スパム業者のロボットに、晒しているアドレスが収集されはしないのか、と、ずっと怯えてた。

ふと思い立って、今日、Blogger の「詳細プロフィール」画面 → Contact → Email の部分の XHTML ソースを読んでみた。うわーっ、 Blogger (Google?) さん、ダメだよーこんなんじゃ:ソースコード上では、"blogナマのアドレス.biz" となっており、JavaScript を使って、頭の "blog" と尾の ".biz" をカットしてから閲覧者に見せる(閲覧者のローカルのメーラーを立ち上げる)だけの仕掛けだ。

私がスパム業者なら、 Blogger でブログを書いてて、かつ、「詳細プロフィール」にメールアドレスを晒している人の、生きのいい ( = 更新が頻繁なブログの) メールアドレスだけを収集するのが簡単にできる。やらないけど。


というわけで、もう手遅れかもしれないが、 Blogger の「詳細プロフィール」でメールアドレスを直に晒すのは止めにした。代わりに使ったのが reCAPTCHA (上の画面キャプチャを参照)。メールアドレスを知るためには、歪んだ文字を読む必要があるようにしたのだ。

reCAPTCHA を使ってメールアドレスをロボットから隠すサービスは、元祖 CAPTCHA の発明元の Carnegie Mellon University のもので、無料。なんと太っ腹、すばらしい。

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(re)CAPTCHA は初期のものは既に自動的に解読できてしまうそうだ。つまり、コンピュータの技術が進歩した結果、ちょっとぐらいなら字が歪んでいても、人間だけでなくコンピュータも読めてしまうようになったというわけだ。そこで、 CAPTCHA にはさまざまな改良が加えられていった。結果として現在は、字の歪みが増大し、読ませる単語が2つになり、綴りの意味が必ずしも無い、というように変化してきている。実際、現在の reCAPTCHA は、コンピュータにはまだ読めないかもしれないが、人間にはすでに読めないことがしばしばある。(笑)

ここで利用した Carnegie Mellon University の reCAPTCHA サービスは、閲覧する人間が読めなかった場合も叱ったり終わったりせず、別の歪んだ文字を出す「不良返品交換」ボタンが付いている (左上の画像のボタン)。これはすごく重要な機能だ。歪んだ字が読めなかった、ってだけで、ほとんどの人がかなりイライラするからだ。日本人の場合は特に、英語にコンプレックスがあったりもするから、イライラは爆発、もうこんなブログなんか読んでやらない、になりそうだ。

というわけで(?)、私のメールアドレスに関しては、とりあえずは安心。

だが、油断はできない。解読する方の技術はどんどん進歩しているのだから。。。

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関連記事:2008-08-11 CAPTCHA認証は“終わった”技術なのか――有効性を疑問視する専門家たち (月刊 Computerworld 2008年10月号に掲載) の中で紹介の "Quantum Random Bit Generator Service: Sign up" が面白い、いや違う、笑える。

人間にしかできない作業をさせ、スパム業者のロボットを防ぐということで、

三角関数の微分係数とか、多項式の零点とか、整数の四則演算とかの答を要求してくる

のだ。たまに、三角関数を用いて記述された「定数関数」の微分係数が出題されたりもするよ。

正答が絶対値の小さな整数に限られているようなので、コンピュータに対して何の防御にもならないのは確実だ。その一方、人間は高校(今は「ゆとり」の所為で、数学の科目を全部とらないと、弧度法とか三角関数の微分とかは無いんじゃないかな?)で、もし習ってたとしても忘れてるんじゃないかなあ。。。

興味深かったのが、わざと専門家向けの記号を使って問題を困難にするつもりはないはずなのに、ハンガリーのこのサイトは、

1. 1変数関数の導関数も偏微分記号で表す(しかも、演算子記法!)
2. 代入は、制限写像の記号で表す

という流儀だ。つまり、こういう記号で中・高等教育をやってるってこと。合理的、かつ、進んでるなあ。。。

数学記号って、実は全然、世界共通じゃないんですよ。日本人が学校で習っている数学記号は「日本教育用方言」なのでした。(笑)
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