ずっと放置していたのは、行きつけだった歯医者へ行くと、おそらく治療より予防に熱心な名医だからだとは思うが、「あなたはストレスマネジメントができていないから取れるんです」と、電気ドリルを片手に長時間説教され、かなりのストレスが溜まるから。どうも、各種ストレスで奥歯を強く噛みしめる癖が私にはあるようで、摩耗が速いらしい。歯医者のストレス圧力によって、治療速度と摩耗速度が変わる(ル・シャトリエの法則。あれ?逆か)。さて、行きつけだった歯医者の場合、どっちが速かったのだろうか。(笑)
実際、同じ箇所の詰め物が取れたのは4度や5度ではない。だからもう、どうしようもないのだ。ストレス云々ではなく、私のはすぐ取れる、そういう結論に到達した。
ところで、天地がひっくり返っても「ストレス管理せよ」とは患者に言わない、そういう歯医者が、それほど珍しくもないある特定の場所には必ずある。そういうことに最近やっと気がついた。なんでもっと早く気がつかなかったんだろうな。
ということで、今日、行って来た。ほーら、ストレス・フリー。来週には歯の穴がリニューアル・クローズされる予定だ。歯に詰まってるのが平衡状態になってくれるといいけど。。。(sigh)
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歯医者からの帰り道、本屋さんで米原万里さんの遺作が文庫本になったのを発見、購入。
他諺の空似 (たげんのそらに)、光文社文庫
ISBN978-4-334-74596-7
面白くて一気に読み終えた。
下ネタも満載なのに、なんだか気品があり、学術的。いいなあ。芸風を真似したい。
普通な書評とか、(特に、故人の生前の知り合いが)思い出話を書いたものは、ネット上でいくらでも見つかると思うので、この blog ではそういうのを一切カットして、以下は独自な視点から [私にウケた下ネタをここにバラしたい誘惑を押さえて、その他のまじめな内容の中から「あ、これは!」というのが次の2つ。 (2) と すごく個人的な(1)]:
(1) 「大山鳴動して鼠一匹」に相当するラテン語の成句 (p.82)
Parturiunt montes, nascetur ridiculus mus
私の高校の先生(山岳部顧問)のあだ名の由来は実はこれだったのか!?あの敬愛すべき先生に ridiculus という形容詞はあまりにもピッタリすぎるし、大学でラテン語の講義を取っていた、山岳部同期の F 君(故人。法学部だった)が「大山鳴動してムス一匹」と大笑いしていたのをとつぜん思い出した。当時、「理系命」(命の字の縦棒はながーーく書くこと) の私には言っても分かるはずはないので、笑いの理由を教えてくれることは無かったけど。。。
高校生だからそんな知識はあり得ないだろうと侮ってはいけない。実際、「ばぁ」というあだ名の先輩が居て、顔が婆さんみたいだからかと思っていたら、姓が「神谷」だからだったりしたのだ。部活動には大学に進学した先輩がコーチを勤める(私も数年やりました)という伝統もあったから、そっち方面からの知識の流入もあったはずだ。
(2) 上の写真。これはこの文庫本の中扉だ。題名、サブタイトルと著者名との間に、謎めいた絵が配置されている。これの意味を正確に把握できる方が居られたら、ぜひ、ご教示頂きたい(どこにもこの謎めいた絵の注釈はないのだ)。
この絵に関する、いまのところの私の憶測:
1976年に型番411として認可、共産主義体制下のルーマニアの Sibiu という町の『新技術公団』から Lei 10.70 (Lei はルーマニアの貨幣単位) で発売の、箱に入った「囚人用玩具作成キット」のラベルだ。書いてある絵は、組み立てた玩具(足を浮かせたまま端から端まで棒を転がしながら移動する遊び道具)を屋外に設置し遊ぶ政治犯。
ではないだろうか?ちなみに、かつての『新技術公団』の電話番号はたったの5桁の 1 47 31、住所は P-ţa Unirii nr. 4, Sibiu (Sibiu は UNESCO の世界都市遺産に指定された美しい町だ。 P-ţa は「広場」の意)。まさにこの広場で最近撮影された超美麗な写真を Flickr に発見。
上の憶測が当たっていたら。。。なぜ、この本のここにこの絵があるのかが少しわかる。病床で原稿を書いていた米原さんの心情を推し量ってしまった。
憶測、間違っていても叱らないで。ストレス溜めたくないから。。。(泣き笑)
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