2009-07-17

ペタバイトって? - 大きな数をやさしく説明するには

Mozy (無料オンラインバックアップサービス)の公式ブログの1エントリを、しげふみ氏のブログ「1ペタバイトってどのくらい?」で紹介しているのを読んだ。

確かに、面白い。1テラのハードディスクなら今、家電量販店に行けば売ってるので、なんとなく実感が湧く(?)が、その上の「ペタ」となると、もう、抽象的にしか分からない。Mozy の記事によれば
  • 1ペタバイトあれば、13.3 年間録画しつづけた HD-TV Video を保存できる
  • 50ペタバイトあれば、人類が今までに(どのような言語であれ)書いたものを全て保存できる
のだそうだ。へ〜。へ〜。

Mozy の記事には、左のようなグラフも書いてあった。1GB のお値段のグラフ10年分だ。

本当に安くなったものだ。

私の記憶では、この折れ線グラフの始点よりさらに約10年遡った1989年には 1GB のハードディスクはたしか400万円だった(当時のレートはおおよそ 123円 = $1 なので、約 $32500 ということになる)。ディスク(筐体込み)の大きさも 幅25cm x 奥行60 cm x 高さ30 cm くらいだった。現在の市販品なら小指の爪半分くらいの micro SD が一番小さいのかな?

ちなみに、当時、 1GB のハードディスクは身近に2台あったのだが、1年の保証期間が過ぎた直後に両方とも壊れた。(笑)

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そういえば。

「ペタバイトって?」のように、大きすぎる数とか(逆に)小さすぎる数は、なんだかピンとこない。そういうとき、最近公開された数学的検索エンジン WolframAlfa に数を入力してみると、 "Comparison" という欄に分かりやすい比較対象を表示してくれて、役に立つ。というか、そんなつまんない問題だけじゃなくて、もちろん、いろいろ他が役に立つんだけども。

Wolfram 先生によると、1ペタはおおよそ "56 x the number of red blood cells in human body" だそうな。分かったような分かんないような。。。

ついでに 10 の 100 乗を Wolfram 先生に訊いたら、Google 先生を引き合いに出しました。ははは、そりゃそうだけど。(下の画像がそれ。)


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蛇足: Mozy の元記事で、細かいことが気になった。「ペタは 10 の 15 乗(=1000 の 5 乗)」であって、1024 の 5 乗ではないのだ。

詳しくはデータ量の比較を参照のこと。簡単に言うと、はるか昔に、1024byte を 1KB (K は大文字) と表し、 k (1000) も K (1024) もどちらも「キロ」と呼んでしまったという事情がある。たった 24byte の違いだからいいだろうという、この浅知恵は後の世に禍をなす: 1MB がその時々で 1000kB だったり、1000KB だったり、 1024KB だったりしたのだ。そのさらに後、1GB が普通の世の中になっても同様の混乱が残った。2002年になり、ようやく、この混乱を収束させるため、1000 と 1024 のベキ乗の系列に別の接頭辞(たとえば、T = テラ = tera は 1000 の 4 乗、Ti = テビ = tebi は 1024 の 4 乗)を使い区別するのがお勧めになったのだが、まだ、普及してないのかな? [ついでに:  通常使われている意味での "1byte = 8bit" も必ずしもそうでないとされた。"8bit " を単位にする場合は "o" (octet) という記号で書くことが推奨されている。]

というわけで、Mozy の元記事は、正確に言うと、P = ペタ = peta = "1000 の 5 乗" の説明ではなく、Pi = ペビ = pebi = "1024 の 5 乗" の説明になっている。1Po と 1Pio はヒト6.3人の赤血球の総数くらい違うので、きっちり区別しましょうね。えーと、赤血球を 8bit に1個ずつ貼ってね。
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