ー昨日まで潜っていた西表で、残念だったのが、汽水域を潜れなかったことだ。
潜るのに都合の良い時間に上げ止まりで、略最低低潮面からの潮位が1.4mの日でないと潜れないようだ。また、川の流路や堆積物の関係で、ダメな場合もあるそうだ。今回の滞在中では 8/21 に潜れる可能性があったんだけど、面子の問題で没。まあ、また行くための理由が1つできたというだけの話だが。川は逃げないのだから。
で、今回の記事。「汽水」という単語が汽になった、もとい、気になったので調べてみた。
どうやら、この単語、中国語からの借用語である。そんなの当たり前、と思った人、考えが甘い。漢字で書かれた熟語であっても、中国語からの借用語でないものはたくさんあるんだよ。「自由」とかね。日本で作られた熟語が中国に逆輸入されていたりもするから、事情は複雑だ。
日本語では「海水と淡水の間の塩分濃度の水のこと」と誤解されているようだが、元の中国語での意味は、川が海に流れ込むあたりの水域そのもの、あるいは、その状態を表す言葉である。
この水域では、比重の大きい海水が下、比重の小さい川の水が上になり、双方が全体としては楔形になって重なりあっている。2つの楔の接している水平面(上述の潮位の海水面)では、じわじわと海水と淡水が混ざることになり、もし潜れば chemocline によるモヤモヤが見れるはず。また、一般に、水温も違うはずなので、 thermocline も同時発生する、というと不正確だな。屈折率が違うための要因が2つ重なっているだけで、現象としては1つ。適切な呼び名が無いので、ケモクラインサーモクライン同時発生とか言っちゃったりしても構わないと思う。
つまり、水中でモヤモヤが発生しているような水域が汽水なのだ。水域であることをはっきりさせたい場合には、汽水域と言うこともある。
というわけで、何で「汽」という字を使うのかというモヤモヤした疑問が晴れた。例えば、日本語で汽車というのは、沸騰した水からでるモヤモヤで動いている車だものね。
(ちなみに、現代中国語では汽水に「炭酸水」という意味もある。例えば「薄荷汽水」は「ミントソーダ」だ。)
蛇足:
いろいろ調べたので、「汽水の作り方」というようなウェブサイトをいくつか見つけた。要するに、日本流の誤解であるところの「薄い海水」の作り方が書いてあるわけだが、もし、本物を作るのだったらどうすればいいだろう?
海水の上から、そーっと淡水を注いで混ぜない、が正しいと思うな。(さもなくば、二酸化炭素の気体を加圧して水に溶け込ませる。笑)
未来へのリンク:参考までに、明日の記事も見てくださいね。また、9月4日の記事がこの記事を参照しています。
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