昨晩はナイトダイビングのガイドの真似事をしていた。
何時にエントリするとちょうどいいか、を判断するために、日の入り(太陽が水平線の下に接する)の時刻を調べておくことは欠かせない。こういうのをいちいち現地のサービスに聞くようでは、たとえ「なんちゃってガイド」であっても格好が悪い。それに、現地のサービスは「だいたい何時ごろじゃない?」くらいの把握しかしてないかもしれない。
国立天文台のウェブサイトで経緯度(このサイトから Google Map が使える)を入力すれば正確に計算できるので、あらかじめやっておこう。もちろん無料だ。
前から気になっていた、「薄明」 twilight について、この機会に調べてみた。今回の記事はそれがネタ。情報源は Wikipedia の関連項目 だから、そちらの方が詳しい。
日の出前や、日の入り後もしばらくは明るい。この時間帯のことを薄明 twilight という。薄明を、明るさ(正確には、太陽の中心の水平線下の角度6度毎)で3段階に区別して、
civil twilight (普通に活動できる明るさ)
nautical twilight (海と空の境界は識別できる)
astronomical twilight (暗い星は見えない)
と言うことになっている。
角度6度は時間にすると24分以上(季節、緯度で異なるが、日本ではだいたい30分)なので、太陽の中心が水平線の上にあるときから(おおまかに言って)30分毎に上記の区別がなされている、ということだ。
国立天文台のウェブページでは、日の出、日の入り以外に、夜明、日暮の時刻も調べられる。夜明、日暮というのは上述の civil と nautical の境界のことだ。
また、夕日の沈む方位も調べられる(この方位とコンパス方位との違いは海図か地形図をみないとわからないが、北極や南極でダイビングする(?!)のでなければ気にしなくてよいだろう)。太陽の半径は角度で約50分(≒0.833...度)なので、太陽が水平線を通過するのに要する時間は6分40秒以上だ。だから、もし、ナイトの前に、夕日も見たいのなら、日の入りの時刻の約10分前までによい場所に居る必要がある。欲張りすぎ、と思うが。
まとめると、
(国立天文台の)「日の入り」の時刻~「日暮」の時刻: まだ充分に明るい
その後、約30分: ライトが欲しい
その後、約30分: 星がだんだん見えてくる
その後は、真っ暗。
というわけで、これからナイトダイビングを実施する、という場合。支障のない明るさのときに用意して、潜って、水面に上がると満天の星空!を演出するためにはどうすればいいか、分かるよね。薄明に、(おそらく西洋の伝統的に)こういう呼び方があるので覚えやすい。
ちなみに、イスラムのラマダーンでの日の出、日の入りの定義は水平線を使わない。クルアーン(2. 雌牛章、187節)で「白糸と黒糸の見分けられる」かどうかで昼と夜が定義されているためだ。水平線が必ずしも見えない砂漠で生まれた宗教らしい、とても実用的な定義だと思う。
イスラムでは、だいたいのところ、nautical は昼に含まれ、astronomical は夜に含まれる、って思えばいいのかな。
未来へのリンク: 9月4日の記事がこの記事を参照しています。
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