2008-09-27

歪んだ箱

私は、どんな人の前でもあがることがない。

昔は違った。小学校のころはみんなの前に出るだけで、顔は真っ赤、足はがくがくになってた。いったいいつから変わったのだろう?

昨日、知人がプレゼンテーションの練習をするのにつきあって、そう感じた。普通の人は、あがっちゃってまともなプレゼンテーションできないんだ、と。練習だから、聴衆は顔見知りの、たった2人なのに。

さらに、このプレゼンテーション。その良し悪しが評価されるんだけど、評価基準がかなり歪んでいる。入れなくちゃいけないもの(内容)は直前に出題され、歪んだ箱(評価基準)に合わせたプレゼンができるかどうか、という練習なのだ。

あがることがないだけではなく、私は歪んだ箱、つまり、ルール変更に強い(以前に Olfactogram の記事などで書いた)。

だから、これ、私にはめちゃめちゃ簡単。こういう奇妙な能力が役にたつことがあるとは思わなかった。普通の人は歪んだ箱に合わせるほうもかなり難しいらしい。というか、昨日の彼女は、箱が歪んでいることに気づく余裕すらないようだった。

上の話は実はダイビング関係なんだけど、資格試験全般に「歪んだ箱」は多い。運転免許試験での「左折時は30m手前までに左にできるだけ寄る必要があり、そのためは車線変更の合図が必要で変更開始3秒前に出す」はみんながそれと分かる歪んだ箱。そんなに手前から合図出して左折する車、実際にはほとんど居ない。

そういえば、1ヶ月くらい前に英語関連の資格試験(ペーパーテスト)受けてきたんだけど、大学受験英語みたいな歪んだ箱に合わせた翻訳しなきゃいけなかったとしたら、落ちてるだろうな。英文和訳なんて、もともと無理で不必要なものをやってるのであって、歪んだ箱で評価するしかないのだ。

あ、そうか。

「資格」って、本質的に歪んだ箱だ。天然自然に地球上に「資格」があるわけじゃなくて、無いと困るから無理やりつくった人工の箱が「資格」だ。

こう考えれば、どんな箱を作っても、歪むのが分かる。箱を改良したって、歪む。

だから、どんな「資格」でも、それを取るためには「箱」にとりあえず合わせなきゃ、だね。
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