ルールの違う世界の話が好きだ。「世界」というのは、現実世界でもいいし、数学でもいいし、小説でも、異文化でも、なんでも。
ルールが違えば、例えば「真実」や「現実」なんてものは、ころっと変わってしまう。この点では、数学が一番わかりやすい例かな、抽象的すぎるかもしれないけど。
この手の小説として、井上夢人「オルファクトグラム」をこの blog で既に紹介した。今回は、別のを紹介。
Terry Goodkind, Wizard's First Rule, Tom Doherty Associates, LLC, 1995.
ISBN978-0-8125-4805-1
(日本語訳も「魔道士の掟」という題名でハヤカワ文庫 FT から出ている。カバーなどの絵が、内容が SM チックなのに可愛すぎると思う。)
これを第1巻として、同じ小説世界がシリーズものになっている。全体では、かなりの大作。まだ、続編が書かれているようだが、最近は新作について行けなくなってしまった。一時期は、このシリーズに凝っていて、新刊が出ると即座に原著で取寄せて読んでいたのに。
Wizard が題名に入っているくらいだから、「魔法」というものがあったとして、その世界を扱った小説だ。魔法なんて現実にはないんだから、子供の読み物さ、と馬鹿にしたものではない。ちなみに、私は、こういう架空の話が楽しめない人を、ルール変更に対応できない石頭の持ち主、ああ、かわいそうな人、と思うことにしている。
この「魔道士の掟」の一番いいところをバラすわけにはいかないので、二番目か三番目にいいところを引用してしまおう。これだけ読んでも筋とは関係ないから、だいじょうぶ。
Wizard's First Rule: people are stupid.
People are stupid; given proper motivation, almost anyone will believe almost anything. Because people are stupid, they will believe a lie because they want to believe it's true, or because they are afraid it might be true. People's heads are full of knowledge, facts, and beliefs, and most of it is false, yet they think it all true. People are stupid; they can only rarely tell the difference between a lie and the truth, and yet they are confident they can, and so are all the easier to fool.
なかなか良いねぇ(日本語で読みたい人は日本語訳の本を買いましょう)。もちろん、私は wizard の側じゃなくて、people の側だよ。
そういえば、私は「マンウォッチング」も好きなんだな。私の周りにいる人、観察されて楽しまれてるから気をつけてね。笑
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