2009-07-22

月の暗黒面

今日は日食だった(はず)。うちでは雲で観察できませんでした。

でも、気象衛星の画像ではほーら、こんな感じ。吐噶喇にせまる大きな黒い影が中国大陸に!(気象庁の気象衛星の「日本域, 可視, 拡大, 白黒」の画像、本日11:00撮影より)

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ところで。

日食 (Eclipse) といえば、まっさきに Pink Floyd という昔のロックバンドを思い出すのだが、私が古すぎか。。。

いまや iTunes Store で1500円で買える、 Dark Side of the Moon というアルバムの B 面最後の曲が "Eclipse" というタイトルの曲だ。最後の曲と言っても、実はこのアルバム、A面とB面に収録された曲たちはそれぞれ切れ間なく録音されており、実質的には2曲しかない(昔はLPレコードだったわけで、A面とB面の切れ目だけは曲を連続させられなかった)。

西洋では(インドの)占星術のせいか「月」は狂気と深い関係にあると誤解されている。たとえば、英語の lunatic は、文字通りなら『luna (月を意味するラテン語) に影響された』のはずだが、転じて『精神障害の』『常軌を逸した』の意だ。日本とかイスラム圏とかで「月」は、ウサギ小屋だったり、姫の故郷だったり、とっても青かったり、救急車のマークだったり、"平和でいいやつ" なのに。

というわけで、Pink Floyd のこのアルバムは「狂気」を扱っている。ちなみに、"Eclipse" の1つ前の曲のタイトルは "Brain Damage" だ。

しかし、"Eclipse" の歌詞はとてつもなく素晴らしい。著作権の問題があるといけないので後半だけを引用:

----- 引用はじまり ------

...(省略)...
and all you create
and all you destroy
and all that you do
and all that you say.
and all that you eat
And everyone you meet
and all that you slight
And everyone you fight.
and all that is now
and all that is gone
and all that's to come
and everything under the sun is in tune
but the sun is eclipsed by the moon.


----- 引用ここまで -----

"and" で始まる、対になった韻文をこれでもかこれでもかと連ね、緊張が極限に達した最後の最後に、"but" であっさりひっくり返す。音韻的にも意味的にも(曲も)なんだかゾクゾクする。大好きだ。

でも、ひょっとすると現在なら、
Everything under the sun is in tune, but the sun is eclipsed by the oracle.

が適切かな?
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