2009-07-23

経歴詐称

嘘も方便、かもしれない。でも、チェックすればすぐバレる嘘はつかないほうがいい。永遠に信用を失う。
共同教職大学院の申請取り下げ 准教授の経歴詐称で5女子大

 昭和女子大(東京都世田谷区)など都内の5女子大が来年度の開設を目指していた共同教職大学院の設置認可申請を取り下げたことが23日、わかった。教職研究科長に就任する予定だった元昭和女子大総合教育センター准教授の男性(61)が文部科学省に提出した申請書類で経歴を詐称していたためという。共同大学院として初の申請だった。
…(中略)…
 昭和女子大は2003年4月に男性を非常勤講師として採用、男性は当時から経歴を詐称していたという。大学、大学院の設置申請に虚偽があった場合、学部、研究科の新設が最長5年間認められなくなる可能性があり、文科省が今後、虚偽記載の経緯を調べる。(NIKKEI NET 2009-07-23T14:01)

周りの人にとっては、本当に迷惑な話だっただろう。しかし、残念ながら、大学関係で、この手の嘘をついている人は少なくないと思われる。

とくに、学位。「学位工場」(Diploma Mill) といわれる「大学」に、お金を払えば貰える。ただし、見る人が見れば、バレバレでみっともないが。まあ、名の通った大学の学位でも、コネで取ったとしか思えない人が居るのは事実。。。おっと、キーボードが滑った。(笑)

他にも、自分の著書(和書)の略歴で、
  • 実際には技官だったのを助手(助教)に
  • 助手(助教)だったのを講師に
  • 講師だったのを助教授(准教授)に
と、見事なまでに一段階ずつシフトさせていたD大学H教授(仮名)を見た事がある。これはバレにくいが、バレた時に失われる信頼は大きいよ。と、嘘をつかれた経験者(私)は語る。このケースでは、そのご著書自体が洋書の完全なパクリ(H教授が理解できないところを省いた抄訳)だったというオチまでつくのだが、これ以上書くと、相手が特定できるので、今日は止めておく。とても長くてつらい話になる。

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上の NIKKEI NET の記事を見て、私自身のことを考えてみた。私が「詐称」していないことを、ネットで簡単に確かめることができると便利だ。と、ふと思いたって、試してみた。もちろん公式の「証明書」を発行してもらえばすむ話だが、「ネットで簡単に」の部分が肝心だ。

今や、いろんな情報がネットからアクセスできる。しかし、この手の情報は、情報自体が存在するサイトを知らないことには確かめられない。 Google ではまだ検索できない、少なくとも今のところは。

やってみた。なにしろ、私は情報がどこに存在しうるかを知っている。できた。

これで、「証明しろ」と万が一言われることがあったとしても、まったく手間がかからない:このサイトに行って、キーワードはこう、と指示するだけ。超簡単。(名前だけでなく、キーワードでも絞る必要があるのは、同じ字の同姓同名の方が1年違いで近い分野に実際に居られたから!)

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この話にはオチがある。実は、さっき、twitter の側にはちょこっと流してしまったのだが、「ネットで簡単に私が詐称してないと分かる情報」を見てみたら、そこに誤植があったのだ。

実際、この誤植のおかげで、最初は情報に到達できなかった。冗談ではなく、かなりあせった(笑)。論文タイトル間違わないでくださーい >> 国立T大学図書館

というわけで、知らないところで他人が入力した自分の個人情報って恐い、と認識したのでした。今日、確認して本当によかった。将来、要らない可能性高いけど。。。
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Comments 1

さんのコメント...

図書館から「当館所蔵の論文の実物で確認の上、学位論文要旨データベースを担当している係へ訂正を依頼しました」と返事がきました。よかったよかった。

でも、図書館広いんだよなー(正確に言うと、近くだけど分館として散らばってる)。

図書館の誰かが、たったの1文字のために、実物を確認しに分館まで往復した。と思うと、申し訳ないというかなんというか。

大変ありがとうございました!(と、ここに公式にお礼を書いておくことにしました。)