2009-08-25

礫・砂・シルト・粘土・コロイド

Photo: Vanderhorstia sp. A sensu A Photographic Guide to the Gobioid Fishes of Japan, Is. Iriomote, Okinawa, Japan. D -8m, TL 5cm. Aug 2008.

映画化された新田次郎「劔岳 点の記」を観たいと思っているのだが、行きそびれている。原作は高校のとき、合宿であの辺りに行く前に、山岳部の顧問の先生から吉村昭の「高熱隧道」と共に必読の書として紹介された。

それがきっかけで、新田次郎も吉村昭もほとんど全作品を読んでしまった。大好きな作家だ。

「高熱隧道」の面白さに嵌ったおかげで、トンネル工事の実話が大好きになった。うちの蔵書にはそういうわけで、左のような古本もあったりする。今ならこの本は現物を古本屋で購入しなくても、土木学会図書館の戦前土木名著100著としてオンラインで読めるのに。

だから、もちろん、青函トンネル記念館にだって行った事がある。とにかく、長いトンネルの中では景色を良く見るという、変な人になってしまった。

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トンネルを掘る、あるいは、大きな建物を作るときには土質とそれに合った技術が重要だ。

このことは、エビや魚に関しても全く同じで、海底の土質が変われば穴を掘って生息している生物は異なる。それぞれが得意とする土質があるのだ。

一番上の写真はクサハゼという魚だ。日本なら、沖縄にも小笠原にもたくさん居る。父島で、沈んだ貨物船の貨物室にシルト(砂より細かく、粘土よりは粗い土)が溜まり、一面、クサハゼだらけのところを知っている。

こんなに綺麗な魚なのだが、一般ダイバーにはお勧めできないかもしれない。なにしろ、生息場所の底質はシルトだ。フィンで巻き上げたら何にも見えなくなってしまう。しかも、この魚は臆病ですぐ引っ込んでしまうので、指差して教えにくい。

ダイビングするときにも土質とそれに合った技術って重要だ。(笑)
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